精巣腫瘍摘出、ブログ2020

精巣腫瘍の疑いあり。診察、『高位精巣摘除』の手術を受け、退院しました。記憶を頼りに、経過をブログにつづっていきます。

❹手術

手術中に音楽が流れている。ピアノの心地いい音で気が紛れる。しかし意識の大部分は、手術部。右側の精巣を摘出するので、右側の鼠径部が切られている。中の管のようなもの?を動かされているのが分かる。鼠径部から内臓?が取り出されているような感覚。実際は取り出してはいないけれども、そんな感覚があり、不思議な感じがする。それを引っ張られる?痛みは無いが嫌な感触が続く。精巣を鼠径部から取り出すようだが、切り口が狭い?鼠径部を少し切り開いている?何人かがかりで取り出そうと切り口を広げたり、引っ張ったり?鈍痛がある。程なくして、鼠径部を広げられている感覚がなくなる。と同時に先生方の短い歓声。精巣がでたようだ。管を切る「ジョキン」という感覚。しばらく内臓を引っ張られるような感覚、それがとても痛い鈍痛と続く。もう少しで終わる、もう少しで終わる。心の中で連呼する。時間はどれくらいたったのだろうか。痛みで時間が長く感じる。流れているはずのピアノの音楽も、ほどんど耳に入らない。上半身がときどき痙攣する。痙攣しないよう脱力する。痛い。右下腹部痛みが続き、痙攣が激しくなる。「寒いですか?」「はい」両腕をタオルで、左腕を湯たんぽ?で温めてもらう。深呼吸をしながら、痛みと痙攣に耐える。右腕も湯たんぽ?で温めてもらう。痙攣の頻度が少なくなる。どうやら体が冷えていたようだ。痛みで内臓?が馬鹿になりそうだ。痙攣がまた激しくなる、我慢の限界か?精神的にもきつい。体を軽く抑えられる。体が冷えているせいか、抑える看護師さんのぬくもりを感じる。少し落ち着く。「腕、痺れていませんか?」看護師さんの声かけで、腕が痺れていることに気付く。左腕を曲げ伸ばし。伸ばしていた左手を胸に添える。痙攣、収まる。右腕も胸につける。とても落ち着く。体もあたたまり、痙攣も収まった。これなら痛みに耐えられそうだ。ときどき、こげくさいにおいがする。レーザーで焼いているようだ。鼠径部を縫っている。手術が終わった。ストレッチャーで運ばれる、グルグル回されてるような感覚。真っ暗な廊下を通る?トンネルの中に入ったような感覚。何故かまぶたが重い。明るくなってまた暗くなる。廊下が長く感じられた。エレベータに乗せられ部屋に着いた。妻と話をした。手術の終わりを実感した。